メンズコスメNULLの最大50%オフ戦略から読む、男性スキンケアEC市場の変化と勝ち筋

メンズコスメNULLの最大50%オフ戦略から読む、男性スキンケアEC市場の変化と勝ち筋
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ニュースの概要

メンズコスメブランドのNULLが、10月13日から19日まで開かれるAmazonプライム感謝祭に合わせ、人気製品を最大50%オフで販売している。同ブランドはシリーズ累計の販売数が350万個を超えたとしており、大型セールの機会を使って認知の拡大と購入の後押しを狙う。対象商品や割引の条件は、販売ページで案内されている。背景には、洗顔、肌ケア、ヘアケアといった男性向け商品をネット通販で買う人が増えている流れがある。店頭で手に取りにくかった層が、価格や口コミを見比べて選ぶ時代になった。

引用元: メンズコスメブランドNULL、Amazonプライム感謝祭で最大50%オフ(atpress)

分析・見解

350万個という数字が示す、男性が買い始めた理由

累計350万個という規模は、メンズコスメが一部の美容好きの趣味から、日用品に近づいたことを示している。かつて男性の肌ケアは、ひげそり後のローションで完結していた。いまは洗顔、化粧水、日焼け止め、ヘアケアまで一式そろえる人も珍しくない。オンライン会議で自分の顔が画面に映る機会が増え、清潔感が仕事の評価の一部になったことも背中を押している。

買う場所も変わった。ドラッグストアで女性向けの棚の隣に立つのは、人によっては気恥ずかしい。通販なら自宅に届き、誰にも見られない。この「人目を避けられる」性質は、価格や品ぞろえより先に、男性の美容市場でECが強い理由として挙げてよい。

最大50%オフは、値引きではなく広告費の付け替え

化粧品は原価が比較的低く、利益の多くが広告費と流通費に消える商品だ。セール期間のAmazonには、すでに買う気で検索する人が集まる。そこで半額近い価格を出せば、広告を打って新規客を探すより、安く初回購入者を得られる場合がある。つまり50%オフは、広告に使うはずのお金を、価格の形で客に渡す手法だと読める。

さらに、Amazonの売れ筋ランキングは直近の販売数で動く。セール中に売れれば順位が上がり、セール後もしばらく目に触れやすくなる。割引の効果は期間内の売上だけでなく、その後の露出にも及ぶ。

参考になるのは、シェーバーの定額替え刃の成功と失敗

米国のドルシェーブクラブは、安い定額の替え刃で男性客を集め、2016年にユニリーバが約10億ドルで買収した。ただ、競合の参入と値下げ競争が進み、2023年にはユニリーバが事業の大半を売却した。入口の安さで客を集める手法は、中身が他社と同じなら、別の安い商品へ簡単に乗り換えられてしまう。

肌ケアも同じ構図だ。男性は選ぶ手間を嫌う傾向があり、一度合った商品は替えにくい。逆に、最初の一本で肌荒れや期待外れを経験すると、そのカテゴリごと離れる恐れもある。

セール後の継続率が、本当の成績表になる

売上個数は目立つが、収益を決めるのは二回目以降の購入だ。肌ケアは効果を感じるまで数週間かかるため、セールで買った人が使い切る前に迷って離れることも多い。使い方の案内、少量サイズ、定期購入への自然な誘導まで含めて設計できているかが、割引の成否を分ける。350万個のうち何割が再購入に至ったのか。この数字こそ、ブランドの実力を示す。割引で集めた客を、定価でも買う客に変えられるか。そこに男性向けブランドの競争の中心が移っていくだろう。

ビジネスへの影響

自社でセールに出る前に決めておく三つの数字

EC担当者がセール参加を決める際は、割引後の粗利、獲得できる新規客の数、再購入率の見込みの三つを先に置く。割引率だけで判断すると、売れるほど赤字が膨らむ事態になりかねない。Amazonのようなモールでは手数料や広告費が売上に連動するため、半額で売ると手元に残る利益はさらに薄くなる。送料と手数料を含めて利益が残るかを確認し、初回客が何回買えば元が取れるか(=回収期間)で考えると判断しやすい。

小規模ブランドは割引より信頼の材料を厚くする

大手のような値引きの余力がない場合は、安さで戦わない。成分の根拠、使用者の口コミ、肌質別の使い方など、迷いを減らす情報を商品ページに載せる。男性は検索で比較してから買う傾向があるため、自社サイトの解説記事やレビューの整理が、そのまま購入の後押しになる。美容メディアや企業サイトを運営する側も、セール時期に合わせて「選び方」の記事を公開すれば、検索からの流入を取り込める。

セール後30日の接点を、事前に用意しておく

購入者へのフォローは、商品に同封する案内やメールなど、規約で認められた範囲で設計する。使い始めて1週間後、3週間後に向けた使い方の案内を用意し、定期購入や詰め替えへ無理なくつなぐ。社内ではセール担当と顧客対応担当が情報を共有し、問い合わせの多い質問を次回の商品ページに反映する。割引で来た客を一度きりにしない工夫が、翌年のセールでの広告費を下げる。

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