マツキヨ「KNOWLEDGE」が唇と手元へ、男性ケア市場を広げるPB戦略

マツキヨ「KNOWLEDGE」が唇と手元へ、男性ケア市場を広げるPB戦略
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ニュースの概要

マツキヨココカラ&カンパニーは、メンズスキンケア・ヘアケアの自社ブランド「KNOWLEDGE」から、リップクリームとハンド&ネイルクリームを発売します。販売開始は10月11日で、全国のマツモトキヨシ、ココカラファイン各店と自社通販が対象です。今回の追加によって、男性向けの身だしなみ商品は、洗顔や顔用保湿だけでなく、唇や手先の日常的な手入れにも広がります。ドラッグストアの店舗網と自社ブランドを生かし、必要なときに手に取りやすい商品として提案できる点も特徴です。

引用元: メンズスキンケア・ヘアケアPB「KNOWLEDGE」から新商品、リップクリームとハンド&ネイルクリームを発売(PR TIMES)

分析・見解

顔から唇や手先へ、男性の手入れが日常の細部に広がる

男性向け美容の広がりは、化粧品を使う人が増えたというだけではない。清潔感を保つための手入れが、洗顔や髪型から、乾燥しやすい唇や手元へ細分化している。唇の荒れや指先のささくれは、季節や仕事環境によって誰にでも起こり、本人にも周囲にも見えやすい。効果を実感しやすい部位から始められるため、美容に慣れていない人にも入口となりやすい。

一方、手入れの対象が増えるほど、商品を選ぶ手間も増える。既存の顔用商品に加えて、用途ごとの品ぞろえをブランド内で示せば、次に必要なケアを見つけやすくなる。今回の二品は、男性用美容を特別な習慣ではなく、乾燥対策など日常の困りごとに結びつける役割を担う。

店頭で買いやすい自社ブランドが初回購入の壁を下げる

男性が初めてケア商品を買うとき、成分や使い方が分からないことに加え、売り場で選ぶ気恥ずかしさも障壁になり得る。ドラッグストアは日用品の買い物先として利用頻度が高く、リップクリームやハンドクリームも既存の売り場で見つけやすい。専門店に足を運ばず、日用品と一緒に試せる導線は、初回購入の負担を小さくする。

自社ブランドは、価格や容量、陳列場所を小売側が一体で設計しやすい点が強みだ。店頭で手に取りやすい価格帯を実現できれば、失敗を恐れて購入を見送る人にも選択肢を示せる。ただし、価格だけでは再購入につながらない。べたつきにくさ、香りの強さ、持ち運びやすさなど、使う場面に即した価値を伝える必要がある。

「浸透」という表現は使用感と説明の両立が鍵

商品名に使われた「浸透」は、化粧品では成分が角層まで届くことを指す表現として扱われる。購入者は言葉から保湿の実感を期待するため、広告や商品表示では、どの範囲への浸透を意味するのかを分かりやすく示すことが重要だ。実際の使い心地と説明が一致しなければ、初回購入を促せても継続利用は難しい。

とくにリップは塗った直後の質感、ハンドクリームは塗布後に物を触れるまでの時間が評価を左右する。男性向けと銘打つだけでなく、無香料か、どの程度べたつくか、外出先で使いやすいかといった具体情報が選択を助ける。商品の技術的な価値は、難しい成分説明より、生活の中で不快感なく使える形に落とし込めるかで伝わる。

購入点数より使用場面の広さが次の成長を決める

リップやハンドケアは季節商品の印象が強いが、空調による乾燥や手洗いの機会など、季節以外の使用場面もある。売り場では冬場の乾燥対策だけでなく、通勤、仕事中、外出先といった用途を伝えることで、年間を通じた需要を作れる。顔用ケアとの関連販売も、商品を増やすだけでなく、朝晩の習慣に組み込む提案として設計したい。

今後は、発売後の売上だけでなく、既存のKNOWLEDGE利用者が二品を買い足した割合、初めてブランドを購入した人の比率、再購入までの期間を追うことが重要になる。顔から手元へ広げた商品群が、顧客の生活習慣に定着するかを見極めれば、次に開発すべき部位や容量、販売時期も判断しやすくなる。

ビジネスへの影響

販売数だけでなく初回購入者と買い足しを分けて測る

商品導入後の評価では、売上高だけを見ると、既存顧客の買い足しか、新しい顧客層の獲得かを判別しにくい。会員購買情報などを活用できる場合は、KNOWLEDGEの顔用商品を購入した人の併買率と、ブランドを初めて買った人の割合を分けて確認したい。前者が高ければ品ぞろえ拡充が既存客の購入点数を増やした可能性がある。後者が伸びれば、唇や手元の商品が新規客の入口として機能していると考えられる。

併せて、購入者が次回いつ買うか、どの売り場を通じて購入したかも追う。店頭と自社通販では、購入のきっかけや必要な説明が異なるためだ。発売時の販促だけで判断せず、数か月単位で再購入や関連商品の利用まで見ることで、商品の定着度をより正確に把握できる。

用途と使用感を売り場で短く伝え、比較の迷いを減らす

店頭では、商品名だけを目立たせるより、どんな場面で使う商品なのかを一目で伝える表示が有効だ。たとえば、手洗い後や外出前など具体的な使用機会を示し、香りやべたつきに関する情報を簡潔に添える。リップとハンドクリームを同じブランドの関連商品として並べる場合も、まとめ買いを迫るのではなく、乾燥が気になる部位ごとに選べる構成にする。選択肢が増えても、説明が整理されていれば購入者の迷いを抑えられる。

在庫計画では、発売直後の販促分と通常需要を切り分ける必要がある。乾燥が強まる時期に需要が偏る可能性を見込みつつ、販売実績を店舗の立地や客層別に比較し、追加発注を調整する。全国一律の売り方にせず、ビジネス街、住宅地、駅前などで売れ方の違いを確かめれば、陳列や補充の効率も高められる。

商品開発は男性用の強調より使いやすさの検証を優先する

今後の商品展開では、男性向けという区分だけで差別化するのではなく、使う人の不満を具体的に解消できるかを確かめたい。試用者への聞き取りでは、香り、塗った後の感触、容器の開けやすさ、携帯性を項目別に評価する。仕事中に使う人と自宅で使う人では、適切な容量や容器も異なる。用途別の声を反映すれば、次の商品や改良の優先順位を定めやすい。

自社ブランドの利点は、店舗で得た反応を商品設計や販売方法へ戻しやすいことにある。販売員の質問、返品理由、通販の評価を定期的にまとめ、香りの変更や説明表示の改善につなげる仕組みを整えたい。短期的な話題づくりに終わらせず、使い続けられる品質と入手しやすさを両立できるかが、ブランド拡大の判断材料となる。

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